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本 [文庫] (2003-03) ASIN: 4003108132
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著者 : 川端 康成,
レーベル : 岩波書店,
製造元 : 岩波書店,
ページ数 : 205p
高さ : 31cm
サイズ : 575cm
重量 : 26kg
幅 : 417cm
出版社 : 岩波書店,
スタジオ : 岩波書店,
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[カスタマーレビュー]
8人のカスタマーによる評価は 4.5 です(5点満点)
幻想
[ 評価 : 5 ] 2010-02-14
幻想的な物語である。登場人物達の素性はあまりわからない。官能的な描写も詳しく描かれていないので、想像力が暴走する。
その中での主人公、島村は我々男のある意味の理想を体現する。無為徒食に生きてきた彼は、旅を続ける。女性に持てる。自由に生きる。これだけそろえば、ほかに求めることは無いであろう。だが、島村の「生きている実感」があまり物語から感じることが出来ないのである。彼自身の身体が感じられないのである。そのため、島村は痩せた男を想像していたが、そうではないと解ったとき、何故か物語に裏切られた気がした。
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三十年後に再読して
[ 評価 : 4 ] 2009-12-18
同じような人がいるものですね。大学の学生時に、なんとつまらない作品かと読み飛ばして嘆息したのを反省し、この歳なら分かるかと再読しました。しかしやっぱり、心から好きになるというわけにはいきませんでした。なんといっても、ストーリーがないというのが辛い。文章の美しさ、場面描写の美しさにはうっとりしましたが。
これが世界の文学界に日本文学の代表作として認められたのは、むしろこのストーリーのなさなのだろうなと思いました。清少納言の枕草子から続き、志賀直哉の私小説に結実する一つの潮流の代表作ととらえるべきなのでしょうか。夏目漱石は哲学的だったり、芥川は映像的だったりしますが、それぞれ同系統の作品も書いています。
へんくつな金持ちのぼんぼんが、田舎の芸者と何度か遊んだだけなのですが、日本の風俗や時代が「美しく」描かれています。この描き方の美しさが、いいのですね、きっと。
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歳をとらないと読めないんじゃないだろうか
[ 評価 : 5 ] 2009-05-17
月並みな話になるが、私は高校生になったばかりのころ雪国を読んでも話の内容が理解できなかった。
雪国はつまるところ男女の恋物語である、ということしか理解できなかった。
自分のアタマがバカなのかと思ったものだ。
それから時間が経って読んでみると、おぼろげながら話の筋が分かってきた。
主人公の「島村」と「駒子」の行動・言動の味わい深さがおぼろげながら分かってくる。
さらにところどおころに散りばめられた、鋭い色彩感覚によって描かれる駒子の様子と日本の風景をじっくりと読んで、ようやく駒子の美しさと日本の風景の美しさが少しだけ理解できたのだった。
おそらく、もっと年齢を重ねるごとに味わいは深くなっていくのではないだろうか。
これはすばらしい本だ。
だが、好き嫌いは絶対にある。
ネチネチとしたしつこいまでの表現と遅すぎる展開は人を選ぶ。
話の面白さを求めるのなら、書店でベストセラーになっている小説を読んだ方が良い。
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川端康成の死生観と美感を表現した日本文学
[ 評価 : 5 ] 2008-03-27
府立高校時代に読んだ「古都」に感動して以来、約20年振りに氏の本を読みました。15歳までに両親、祖父母、姉を亡くし、書簡を交わし合った三島自殺の2年後の昭和47年にガス自殺した享年72歳の著者の当時抱いていた死生観と美の感覚が如実に表現されていると感じました。
村上春樹氏は「人生というのは負けるに決まっているゲームを闘っているようなものです」と読者に答えましたが、
学識があり無為徒食で裕福な暮らしを続ける家族持ちの島村、島村と同じ雪国への列車に乗り合わせた美しく透徹な陰を持つ娘の葉子、彼女が懸命に看病する重病らしき男、彼女らと同じ雪国の町に住み島村を待ちわびる芸者の駒子、この4人もまたそのような世界に生きます。
彼らの生は死を、それは肉体だけでなく心の死を内包し、健気に純粋にそして一途に芸者としてその範疇の中で生きる駒子と彼女を取り巻く島村、葉子、病の男の生き様が、儚く、虚しく、慎ましく、時に退廃的に、また一瞬の美の煌きと生への野心、そして死・別れの翳を伴って描かれます。
ノーベル文学賞を受賞した本書の価値を私では上手く表現できませんが、負けるに決まっている人の人生が持つ意味、或は人生そのものを、川端は自身の死生観と美感を持って描こうとしたのではないでしょうか。
私自身もっと人生を経れば本書の持つ深みにより近づける気がします。読後感はその人の年齢や人生経験により大きく異なるでしょうが、一読に値する深みのある日本文学です。
蛇足ですが、この「雪国」が、芥川賞を受賞した川上未映子氏の137回芥川賞候補作の主人公(=恐らくは著者の分身)の大切な思い出として描かれたことに、時空を超えた日本文学の不思議な巡り合せを感じました。
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二十数年後に再読して..
[ 評価 : 5 ] 2008-01-18
初めて「雪国」を読んだのは高校生の頃。
当時は芸者と高等遊民とのだらだらしたやり取りや、
しょせん芸者遊びを描いただけの哲学的慧眼も起きない薄っぺらい内容だろ、
とも考え嫌悪感を感じた。
こんなものが日本の代表作として海外等で取り上げられていいのか、と。
その後年月を経て、私も少しは人生経験を積み、
川端がこの作品を書いていた年齢(30代後半)になって、改めて再読した。
正直に言うと、印象はかなり変わった。
特に私が引き込まれたのは、島村が初秋に温泉街を再々訪して以降の展開。
紅葉の頃を迎えて木々が色づき、虫の声が高まって次第に小さくなり、
やがて山の上から雪化粧が始まり、初雪を迎え、冬の冷たさが広がっていく…
それらの風景の変化に呼応するように、島村や芸者の駒子の心象や距離感も微妙に変化していく…
初読時はだらだらした描写にしか思えなかったのが、一文一文の深い“あや”が
一つの織物を織り上げるように場面を構成しているのに(今さらながら)気づき始めた。
一つの織り目だけを凝視していては、布としてもつ“やわらかい感覚”は見えてこない。
言葉を追うだけではダメで、言葉のもつ“まわり”の感覚を汲む、ということだろうか。
したがって、言葉の字面の意味しか教わっていない高校生では完全読解は難しく、
その語彙の“周囲”を読み解く力(人間的成長とも言おうか)が求められるのだろう。
それにしても私の高校時代の第一印象、今読むと青臭いですねー。
この作品は何回も読むことで印象が深まる小説。
だから初読時の印象が悪かった人も、しばらく置いてからの再読をお勧めします。
私も新たな発見を求めて、さらに十年くらい置いてから再々読しようと考えています。
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